給湯器の選び方
毎日お湯を使っていても、普段はあまり意識することの少ない給湯器。
急に故障して買い替えが必要になった時に、どんな商品を選ぶかで悩む方は多くいらっしゃいます。
ここでは給湯器の買い替えで押さえておきたい、いくつかの項目をご紹介いたします。
給湯能力や機能の違い、設置できる場所や節約できるかなど大切なポイントを抑えておくと、自分に合った商品を選びやすくなります。
号数について
給湯器の号数は「水温+25度のお湯を1分間に何リットル作ることができるか」を基準に給湯能力を表しており、数字が大きいほど一度にたくさんのお湯を作ることができます。

給湯能力を表す数字は号数にそのまま当てはめられ、16号であれば1分間に16リットル、20号は20リットル、24号なら24リットルのお湯を作るということが判断できます。
号数の決め方
使えるお湯の量が増えると、2か所や3か所で同時にお湯を使うことが出来ます。
1分間で使用するお湯の量は、シャワーで約14リットル、台所の蛇口からは約6リットルと言われています。
誰かがお風呂でシャワーを使っている最中にキッチンで洗い物をするのであれば、20号以上が必要ということです。
さらに追い焚きをしたり、もう一人が洗面所などでお湯を使用するなら24号が必要でしょう。
単純に考えると、単身世帯なら16号、2~3人暮らしなら20号、4人以上のご家庭なら24号がおすすめとなります。

この時注意しておきたい点ですが、号数の基準は春・秋の水温を元に決定されているので、冬場で水温が低い時期だと給湯能力が下がり使えるお湯の量が同じではなくなるのです。
そのため、号数を選ぶ際は冬場のことも考慮して、余裕をもった号数の給湯器を選ぶことをおすすめいたします。
給湯器の寿命は約10年ですので、納得のいく商品選びをしたいものです。
お湯を使用する人数や同時給湯の頻度、ライフスタイルなどを考慮して、ご自身に合った号数を選び快適なお湯ライフを楽しみましょう。
新しい給湯器の号数を決めるには、今の号数を参考にしよう
新しい給湯器の号数を決めるには、現在使っている給湯器の号数を参考にします。
シャワーと食器洗いを同時にできないのであれば号数のアップを、子どもの自立で家族構成が変わりお湯の使用頻度が下がったなどであれば号数のダウンを、お湯の量に問題がなく快適に使用できているなら同じ号数の給湯器を選ぶなど、現状に合わせて適切な号数を選ぶことでストレスなくお湯をご使用いただけます。
今お使いの給湯器の号数を確認するには、給湯器本体を確認して下さい。
前面もしくは側面に貼られた銘板シールを確認すると、型番・型式が記載されています。
その型番で最初の2桁の数字が、その給湯器の号数を表しているのです。

上記のRinnai製品の型番はRUF-A2005AW(A)ですので、最初の数字である20が号数となり、20号ということになります。
型番はメーカーごとに特徴があります。
リンナイであればRUF・RUJ・RUX・RUFHなどから始まり、ノーリツではGQ・GH・GT・GTHなどから、パロマならPH・FH・DHなどから、パーパスであればGX・GS・TPなどから始まります。
大阪ガスや東京ガスなどガス会社の給湯器の場合、キロワットで表示されていますので型式と書かれた部分をご覧ください。
号数がわからない・どの号数を選ぶか悩んでいる等の場合は、当社スタッフが設置場所や使用人数やお湯の使用状況などについてヒアリングを行い、適切な号数の商品をご紹介させて頂きます。
オートとフルオートについて
追い焚き付きの給湯器にはオートタイプとフルオートタイプがあります。
共通の機能
共通の機能としては、お湯はりと追い焚き、保温が自動で行われるという点です。
保温は、機能をオンにしていれば浴槽内の湯温を検知して設定温度までお湯を温めます。
次の人が湯船に入るまで長時間あくときは、保温機能をオフにして追い焚きしたほうがガス代の節約になるので場合によって使い分けることができます。
オートについて
オートには、お湯はり機能と追い焚きと保温といったオーソドックスな機能が搭載されています。
お湯はりボタンを押すだけで設定された量のお湯を湯船に注ぎ、一定時間毎に湯温を検知してお湯が冷めていれば自動で追い焚き。
浴槽内のお湯が減ればリモコンのスイッチを押して足し湯をしますが、約20リットルのお湯が注湯されますので残り湯の量により浴槽内の湯量にばらつきが出ます。
フルオートに比べて機能が限定されている分、初期費用や待機電力が抑えられるというメリットがあります。

フルオートについて
フルオートはお湯はり機能と追い焚き、保温、足し湯と追い焚き配管の洗浄までが自動で行われますので、利便性が高いだけでなく衛生面でも安心です。
自動保温と足し湯はそれぞれのセンサーが働きますので、「ちょうどいい」温度と湯量を守ってくれます。

水位検知による自動足し湯
浴槽内のお湯が設定水位よりも4cm減ると、センサーが働き自動で足し湯を行います。
何人かが入浴したら自然とお湯が減ってしまうので、毎回スイッチを押して足し湯をする必要がありました。
しかしフルオートなら面倒な操作を必要とせず、いつでも快適なお湯の量が保たれます。
家族の人数が多い場合や長湯が好きな方におすすめの機能です。
入浴検知による自動追い焚き
オートの追い焚きは一定時間ごとに行いますが、フルオートでは人の入浴を検知してお湯の温度が下がったらすぐにお湯を沸き上げます。
冬場などに冷えた体で入浴した際や、2番目以降の入浴で湯温が下がっていても、追い焚きスイッチを押さず自動的に設定温度までお湯を温め直します。
また、フルオートには設定温度付近まで追い焚きすると緩やかに温度を上昇させる機能がありますので、循環口付近の熱さを抑えて快適に温度を調節します。
追い焚き配管の自動洗浄機能
残り湯を排水する際に、約5リットルの新しい清潔なお湯を追い焚き管に流して汚れを洗い流します。
追い焚きは浴槽内のお湯を追い焚き配管内に循環させて、再度温め直します。
もともと湯船の中にあったお湯ですので、入浴剤や皮脂、湯垢や髪の毛などの汚れも配管内に入り込み、汚れを蓄積してしまうのです。
フルオートは洗浄機能なしと比較すると、一般細菌を約1/3以下まで減らすことが出来るので、毎日清潔なお湯での入浴を楽しむことができます。

設置タイプについて
給湯器の設置タイプは大きく分けて、据置型・壁掛型・PS設置型・屋内設置タイプに分類されます。

据置型
地面に設置するタイプの給湯器で、据置台を使用します。
戸建てなら屋外外壁の地面、集合住宅ならベランダの地面に取り付けることが多いです。
本体の側面から配管が出ています。

壁掛型
外壁に取り付けるタイプの給湯器で、本体の下から配管が伸びています。
配管は配管カバーを取り付けることで剥き出しの配管を隠し、景観を保つことが出来ます。
特にマンションなどでは配管カバーの取り付けられている場合があります。
また、オプションとして据置台を取り付けると据置型としての使用も可能です。
PS設置型
PSとはパイプスペースやパイプシャフトと呼ばれる給湯器の専用スペースのことで、マンションやアパートや団地といった集合住宅の玄関横にあります。
PS設置型の中で、「PS標準設置」と呼ばれる給湯器は扉のないパイプスペースに設置され、壁掛型と同じ商品の場合がほとんどです。
PS設置型の「PS扉内設置」の場合は、扉があるパイプスペースに設置するタイプです。
本体から伸びる排気口の位置に違いがあり、それぞれ前方排気・上方排気・後方排気・アルコーブ設置タイプなどがございます。

屋内設置型
屋内の壁に取り付けられるタイプの給湯器で、寒冷地や屋外の設置が困難な場合、また店舗などで使われることが多いです。
FF式は「強制給排気式」で、本体内部のファンが燃焼させる酸素を取り込み不要な排気ガスを外へ排出します。
給排気とも外の空気を利用しますので、本体から伸びる管は2本となります。
FE式は「強制排気式」ですので、ガスを燃焼させるのに必要な空気は室内から取り込みます。
排気は外に出しますので、本体から伸びる管は1本です。

エコジョーズについて
従来型と比較して効率的にお湯を沸かす、潜熱回収型ガス給湯器の「エコジョーズ」。消費エネルギーが少なく、効率的で無駄のない給湯を可能にしました。
家庭内で消費するエネルギーのうち約1/3が給湯によるものです。エコジョーズを使用することで、消費エネルギーを抑えて家計と環境に優しく簡単な節約をすることができます。
東京ガスや大阪ガスや東邦ガスでは、エコジョーズを使用するご家庭でガス代が3~4%安くなるプランも発表されており、使用が推奨されています。

高い省エネ効果
エコジョーズには水を加熱する熱交換器が2つ搭載されています。
今までの給湯器では捨てられていた約200℃の排気熱を2次熱交換器で回収し、予熱として再利用するため熱効率を飛躍的に高めました。
熱効率は95%と非常に高く、従来型の熱効率80%と比べるとエコジョーズではほとんどの熱エネルギーを無駄にすることなく使うことができます。
使用ガス量大幅カットで節約効果UP
熱効率の上昇により、これまでの給湯器と比較して使用ガス量を約13%減らすことに成功しました。
ランニングコストの削減にも繋がりますので、使用状況にもよりますが1年間で約10,000円から17,000円の節約効果があります。
また、待機電量も従来の半分近くの電力で使用することが出来ます。
CO2排出量の削減
ガスの使用量が減ることで、地球温暖化の一因であるCO2の排出量も約13%カットの大幅削減。
エコジョーズ1台あたり、年間で約280kg分のCO2の削減が可能。これは杉の木に換算すると約18本分が吸収する量に相当します。
地球環境への影響が少なく、我慢の必要がないエコな生活を送ることができます。
エコジョーズは従来型と比較して導入費用が高額になります。
精密で長持ちするよう頑丈に設計された本体機器の値段と、潜熱を回収したために発生するドレン排水の工事費用が必要になるからです。
しかし、給湯器の寿命は10年ほどですので、ランニングコストが削減されるエコジョーズのほうが長い目でみると断然お得になります。
使用環境や状況にもよりますが、およそ1年から2年後には従来型との価格差をクリアすることができるのです。
毎日いつも通りお湯を使うだけで省エネになるからこそ、エコジョーズは多くの人に選ばれています。
